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果てのない海に呑まれて
第37章 代償
縮こまる男たちにルチアーノが告げる
「来い。次は私たちの駒として働いてもらう」
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海沿いを走る馬
そこには二つの小さな影
それは次の別れ道で海に背を向けると、小高い丘を登って行った
「……」
門の前で馬を止め、レオンはなお黙っている
「……レオン様」
「さっさと降りろ」
ミゲルは命令に従いヒラリとラオフェンから飛び降りた
そして当たり前のように跪き、レオンを待った
レオンもまた当然のように彼の足を踏み台にする
「……何故」
何も言わずただ見下ろすレオンにミゲルが尋ねた
「何故追って来たんですか」
「……その方がファルツ家の為になる」
レオンはフェリペに対してと同じ答えを告げた
だがミゲルの表情は納得していない
「貴方はそんな人じゃない……」
普段感情を表に出さない彼が、この時ほどはっきりした物言いをしたことはない