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果てのない海に呑まれて
第37章 代償



縮こまる男たちにルチアーノが告げる



「来い。次は私たちの駒として働いてもらう」







******************************







海沿いを走る馬

そこには二つの小さな影



それは次の別れ道で海に背を向けると、小高い丘を登って行った



「……」



門の前で馬を止め、レオンはなお黙っている



「……レオン様」

「さっさと降りろ」



ミゲルは命令に従いヒラリとラオフェンから飛び降りた

そして当たり前のように跪き、レオンを待った

レオンもまた当然のように彼の足を踏み台にする



「……何故」



何も言わずただ見下ろすレオンにミゲルが尋ねた



「何故追って来たんですか」

「……その方がファルツ家の為になる」



レオンはフェリペに対してと同じ答えを告げた

だがミゲルの表情は納得していない



「貴方はそんな人じゃない……」



普段感情を表に出さない彼が、この時ほどはっきりした物言いをしたことはない


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