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果てのない海に呑まれて
第37章 代償
レオンは一瞬驚いた顔をするが、すぐに冷静な–––主人に相応しい落ち着きで返した
「どういう意味なんだ、それは」
「私の全ては、貴方のもの」
その日から、ミゲルが迷いを見せることは一切なかった–––
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‘ファルツに逆らっても、リリアと共に生きる覚悟があるか’
レオンはミゲルの言葉を再び自分に問い掛けた
“リリアは…私のものだ”
出逢った時から手離す気などなかったはずだ
なのに何故忘れていたのか–––
“そして私はリリアのものだ”
どんなに離れても、離れられはしない
こうしてアイツの為に迷っている以上は–––。
「ミゲル!」
レオンは大きくしっかりと、それを思い出させた側近の名を呼んだ
“アイツは愛想尽かすだろうな……”