この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第38章 為すべきことを成せ
その全てが一気に理解されたからだ
「ミゲル様、どこへ!?」
突然踵を返し甲板に向かったミゲル
気が付いたたった一人の船員が彼を呼び止めた
「……ケチュア人としてけじめをつけに行く」
シ…ン
さほど大きな声ではなかったのに、一気に船が静寂に包まれる
「そ、そんなつもりでは……」
「分かっている。責めている訳じゃない。ただこれ以上仲間を…家族を傷つけるわけにはいかない」
そう言うミゲルの眸は、誰も見たことがないくらい優しかった
もう騒ぎ立てる者はない
「サラディ家に行く……全て俺と、レオンが何とかする。
だから頼むから、何もしないでいてくれ」
そしてミゲルは光に向かい–––消えた
******************************
「……」
つまらない
”私、レオンと出会う前は何をして過ごしていたのかしら……”