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果てのない海に呑まれて
第39章 孤独な口付け
罪を犯すことに何の躊躇いもない
「何をしても皇帝が守ってくれるからだ」
その一言を、カレルは皮肉げに囁いた
カレルは自分で皇帝の信頼を勝ち取った
だがレオンは初めからそれを持ち、それ故にあれ程自信を持って振る舞っているのだと–––
「そう言いたいの?」
「……恵まれていることを知らない人間が大嫌いだ。
レオンも、お前も!」
「……!」
カレルは乱暴にリリアの腕を引いて立ち上がらせると、窓際のベッドに投げ飛ばした
「……っ」
「怖いか?」
上着を脱ぎ捨てながら、近付いて来る男
震えない女などいるはずもない
「なら言ってみろ……オレの顔色を窺い、機嫌を取り、自分を守ってみせろ。
それがどんなに屈辱的か、それでもそこから逃れられない苦しみを味わえ!」
「や……っ!」
自分を囲うようにのし掛かる重みに思わず声が出る