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果てのない海に呑まれて
第40章 冷たい肌
「あっ……」
焦りのためバランスを崩し、転びそうになったが–––
「……」
力強く抱き止められ無事だった
「ありがとう、ミゲル……」
「しばらく会わないうちに乗り方を忘れたか?
もう一度叩き込んでやろうか」
皮肉たっぷりにそう言われてムッとする
「必要ないわよ」
ツンとしてミゲルを押し退けると、改めて二人に向き直った
「助けに来てくれてありがとう」
「いや、遅くなって悪かったね……危うくあと少しで……」
君を失うところだった
言いかけてその恐怖にリーは口をつぐむ
「本当に、なんて無茶をする。レオンが知ったら激怒するぞ」
「今では自分でもびっくりだけど……でも、どこかでみんなを信じていたんだと思う」
そうしてニッコリと笑ってみせるリリアの頬に、リーがそっと触れていた
小さい頃によくしていたように。