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果てのない海に呑まれて
第40章 冷たい肌
笑みを続けるのが苦しかった
それでも、自分が笑っていなければ彼女を安心させてあげられない
「よく頑張ったね」
精一杯の言葉だった
「さて、もう日も暮れるし、疲れているだろう。
君たちのテントに案内するよ。今日は温かいミルクでも飲んでゆっくり休むといい」
未だ自分を取り巻いていた人々を元の場所に返すと、リーは二人を案内して奥へと進んでいった
「ここでは地面に横になるのが普通だ。だから申し訳ないけど……」
「いいえ、寝かせてもらえるだけでも有難いわ。
ね、ミゲル?」
「ん…っ…?」
急に振り向かれてミゲルの返事が遅れる
「ああ、そうだな……。
ところで、俺はどうすればいい?」
「どうすればって……ここは君のテントでもあるんだが」
「……」
薄暗い中を示され思わず黙り込むミゲル
リリアは既に上がって内装を見回していた