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果てのない海に呑まれて
第40章 冷たい肌
「お前はそれでいいのか?」
「駄目と言われるような理由があるのか?」
逆に訊き返されて何も言えない
ミゲルは小さなため息を吐くと、リリアの後に続いて中に入った
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「ス-…ス-…」
「……ハァ」
暗闇の中、ため息がまた一つ
「お前は無防備過ぎる……」
小さく寝息を立てるリリアを見つめ、ミゲルは顔を歪めた
“そしてアイツは、俺を信用し過ぎだ……”
同胞だからなのか、何なのか
ただリーのその態度は、どことなくレオンに似ていた
“こっちの気持ちなんてまるで考えていない。そのくせ嫌と言わせないからタチが悪い”
勘違いされているようで、それでいて見透かされているようで少し腹がたつ
かつてクリスにも言われたことだ
‘ハナから人を敵認定して警戒して、深く関わらないようにしてるだろ’