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果てのない海に呑まれて
第41章 信じるもの



それは頼むというよりは命令するような口調だった



「…リーに止められた。だから申し訳ないが、手伝えない」



ミゲルの言葉にも、申し訳なさなど感じられない



「そうかそうか……若長は優しいからなぁ」

「俺たちも見習わないとなぁ」



そう言いながら一人がミゲルの肩を小突いた



「……」

「俺たちと同じように出来ないなら、ここから出て行け」

「ギスタール家はオレたちに良くしてくれた。だからあの子には手を出さない」



“手を出すも何も、そんなことしたらリーに殺されるだろう……”



そんなことも分からないのか

ケチュア人はこんなにも直情的だったか?



「だがお前は違う」

「ケチュア人の血が流れていながらオレたちの敵に加担した」

「裏切り者だ」



ミゲルは何も言わず、目を合わせることもなく、ただ小さくため息を吐いた



「…野蛮人……」

「何だと……?」



ケチュア人たちの頬がピクリと引き攣る


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