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果てのない海に呑まれて
第42章 真白き馬
「彼も、きっと同じことをする」
そう言ってミゲルの方を見ると、彼はサッと目を逸らした
この男も、報われないな。
「…分かってる……」
涙を抑えながら、鼻声でリリアは答える
“私だってきっと、レオンの為ならそうする。きっと止められても聞かない。
だから…だけど……”
「お願いだから、最後だなんて言わないで……!」
自分を泣かせてくれるなと、潤んだ眸に射抜かれる
それでもリーは謝ることなんて出来ない
「ちょっと…散歩してくるわ……」
そう言って立ち上がったリリアに、
「あんまり遠くへ行っちゃ駄目だよ」
とだけ言葉を掛けただ見送るリー。
その姿が見えなくなると、呟くようにミゲルに告げた
「辛いものだね。好きな女性が自分ではない男を待っているのを、ただ見ていることしか出来ないなんて」
ミゲルならこの想い、きっと分かってくれるだろう