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果てのない海に呑まれて
第42章 真白き馬



「……」



睨みつける眸が揺れている



自分しかいないと

求めている–––



「リリア……」



レオンはやっと、彼女を強く抱き締めた




「…レオ……ンッ」



一旦離れると、自然と唇が重なる



「ンッ…ハァ……」



段々と深くなっていく口付けに、リリアは思わず天〈ソラ〉を仰ぎ見た



“…ああ……”



アウスグライヒで最初に陸に上がった時も、こうして彼の後ろに天を見た

刻一刻濃くなってゆく天を。



“……綺麗”



今は、夜明けだ

どんなに強く目を瞑っても、光は容赦なく侵入〈ハイ〉って来る



まるでレオンと同じ–––







「……?」



リリアの舌から力が抜けたのを感じ、レオンは唇を離して不思議そうな顔をする



「何?」



あの時とはまた少し違う、真っ直ぐな眸



「…いや……」



このままでは拉致があかないと、レオンは一つ咳払いをした


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