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果てのない海に呑まれて
第42章 真白き馬
「さて、お前を攫った悪党たちはこの先か?」
クスッとただ声を溢すリリアにフッと笑みを浮かべ、レオンはまたその歩を進め始めた–––
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周囲が俄かに騒がしくなった
儀式が終わった直後で当然といえば当然なのだが、彼らの顔には勇ましさよりも驚きと喜びが垣間見える
「……? 何事だ」
問い掛けるリーに、前を走り抜けようとした男が慌てて立ち止まった
「クオック・スーが……」
「何?」
「我らの神が再び舞い降りたんだ!」
「なん、だと……?」
リーは茫然とし、意味をよく呑み込めない
不意に、隣にいたミゲルが腕を掴んだ
「……あいつかもしれない」
「……!」
ああ
なるほど–––
“かもしれない”と言いながら確信に満ちたその言葉にリーは頷いた