この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第43章 温もり



「この谷には季節が夏と冬しかないそうだ」



馬の蹄の音とともに現れたミゲルが、極端に言えばだがな、と説明を続ける



「夏に咲いた薔薇は枯れる間もなく冷気にさらされ、凍る。次の夏が来る頃にようやく溶けて……そのまま崩れて消える」



一瞬たりとも隙を見せず、気高く美しいままで死んでゆく

まるであの時のリリアのようだ



「……」



–––と、心の中で思っていたりするのだろうか。

ミゲルの目は真っ直ぐに彼女を見ていた



「そうか……冬に来たことはなかったからな」

「俺も驚いた。まさに神秘的だな」



リリアは何も言えないままもう一度薔薇に触れていた

青い花びらは日の光を受けて誘うように光っている



「…あっ……!?」

「リリア!?」



声をあげたのに反応してレオンが素早くリリアの手を掴む



「また切ったのか?」

「大丈夫…少しびっくりしただけ……」


/810ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ