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果てのない海に呑まれて
第44章 守られた魂



三頭の馬を並べ、淡々と恐ろしい作業が進められていく







「……」

「……」



持ち上げた死体の背に刺さった短剣を見ながら、ルチアーノが沈黙を破った



「……狙いが甘いな」

「違う。殺すつもりで投げたんだ」



最初に敵の姿を認めた、その瞬間から–––



「……」



何の躊躇もなく返したミゲルにルチアーノはまた黙ってしまう



「生かす必要があったか?」



今度はミゲルの方が話し掛ける



「話ならお前から聞けば充分だろう」

「……っ」

「教会で待つ……寄り道せず戻れよ」



短剣を死体の服で拭いて鞘に戻し、ミゲルはレオンと共に去って行った















******************************
















「リリア……もう大丈夫だ……」

「…え、え……」



震える唇からは、はっきりと肯定の言葉も出ない


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