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果てのない海に呑まれて
第44章 守られた魂
職業柄よくあることだからか、レオンも特に心配した様子はない
それでも
「終わったら少し隣の部屋で休め」
少しは労わる気持ちもあるらしい
–––それを素直に受け止めるミゲルでもないが。
「この非常時にそんなこと出来るか」
「シエラを出てからまともに休んでいないだろう。今以上の非常時になることも想定して休めと言っているんだ」
馬鹿だろ、とでも続きそうな口調。
親しい二人のやり取りはこんな時でも喧嘩腰だ
「仕掛けてきたのがサラディならそうそう続けては来ない。死体も隠したし、報せが行くのも遅くなるはずだ」
「……」
ミゲルは納得しないような表情だったが、取り敢えず従うことにした
「何かあれば直ぐに……」
「分かっている。早く行け」
こいつ–––
まさかこんな場所でもリリアと?
追い出すようなレオンの口調にそう疑ぐりつつ、ミゲルは隣の部屋に移動した