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果てのない海に呑まれて
第44章 守られた魂
今あいつから離れたら
俺はまた喪う–––
ガシャ-ンッ!!
「っ!?」
何かが割れるような音に二人はビクリと肩を揺らした
「え、何……?」
「隣の部屋……ミゲルか?」
状況が状況だけに、緊張が隠せない
「……」
レオンは次を窺うように息を詰めた
「……あ、おい!」
がそれも束の間、リリアが先に立って走り出してしまう
「リリア!」
伸ばしたレオンの手をするりと抜け、隣の部屋の扉を開ける
何が待ち受けているかも分からないのに–––
「ミゲル!?」
「……っ」
叫ぶようなリリアの声に、レオンも堪らず中に飛び込んだ