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果てのない海に呑まれて
第44章 守られた魂
肩に腕を回し、二人掛かりでようやくベッドまで運んでやる
「…どんな毒か分からないっ……とにかく医者を……!」
そう言いながら、レオンは焦る自分が分からなくて更に苛立った
何故自分はこんなに取り乱しているのか
自分で護ると決めた相手なら、その為にどうなろうと本望だろう
そう言ったのは自分なのに–––
グイッ
「……っ!」
そんな彼の気持ちを知ってかどうか、ミゲルの手が突然彼の腕を強く引いた
「…ミゲル……」
「ハァッ……レ、オ…」
必死に何かを訴えようとするその姿に、レオンはフッと力を抜いた
「……ああ、そうだな」
らしくないことはやめよう
「頭を冷やそう……」
伝わったように笑うレオンの腕にミゲルは更に力を込めた
「……っ」
違う、馬鹿
そうじゃない
何を悟ったような顔をしているんだ
俺が、伝えたいのは–––