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果てのない海に呑まれて
第44章 守られた魂




こんなものを

お前は四年間も抱えて生きてきたのか



私にさえ

悟らせることもなく。





私のために–––















どういうこと?



つまり

レオンを狙ったのはファルツ家で

兄のフェリペを殺したのもファルツ家で

ミゲルはそれを知っていて–––



唯一はっきりしていることは

彼が目の前で苦しんでいること。



「……っ」



膝をついたレオンの放心した顔。

その冷たい頬に触れながら、リリアは悟った





誰にも入り込めなかった彼らの世界が

終わろうとしているのだと–––















「リリア様」

「……え?」



ルチアーノに名前を呼ばれリリアはゆっくりと振り返った

彼女自身、この状況についていけていないのだ



「大丈夫ですか?」

「…ええ……」



そんなはずはないのだが、レオンを前にして自分までもが狼狽えるわけにはいかない


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