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果てのない海に呑まれて
第45章 全てお前の為








修道士たちは見て見ぬ振り

俺もそれを何とも思わない







「……」








この寒さの中で毛布を掛けずに眠るのももう慣れっこだ

寝床がなければ好きな場所で寝られる

満点の星を見上げて休むのも悪くない



–––そんな生活が四年か、五年か



よく生きられたものだと思うが、考えてみれば”生かされていた”のかもしれない

奴隷としていずれ再び売り払う、その日まで。

































「どの子も非常に器量が良くて……」



時々訪れる貴族たち相手には、皆一様に綺麗な服を着せられ幸せそうに笑っているよう言われていた

その中で俺一人、ケチュア人に相応しい格好のまま捨て置かれる





時には中庭の隅に丸くなって–––そんな俺を見つけたのが、ファルツ家だった
























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