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果てのない海に呑まれて
第45章 全てお前の為
「なら今ここでそれを見せてもらおう」
「えっ」
”えっ……?”
聞こえてきた言葉に俺は驚いて顔を上げた
「こっちへ来なさい」
「……」
改めて疑ったが自分のことを指しているのは明らかで、ゆっくりと中庭の真ん中に進み出る
他の子供達も興味津々でこちらの様子を伺っていた
「オレたちの目的は次期当主につける同じ年頃の護衛を探すことでね……ここにいるルチアーノと対決して、その実力を見せてもらおう」
「……」
男たちの中でも比較的若い、まだ青年といってもいいような奴が前に出た
だが体つきはしっかりしているし、こんなのに勝つなんて不可能だろう
「無論倒せと言っているわけじゃない。だがまぁ勝敗ははっきりさせておいたほうが分かりやすいかな?
彼の持つ鍵を手に入れられたら君の勝ちだ」
ルチアーノは俺に見えるように紐で繋いだ鍵を腰に巻きつけた