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果てのない海に呑まれて
第45章 全てお前の為



貴方のためにやっているのだと、そう言いたかった



「護衛の仕事は護ることだ。倒すことじゃないんだよ」

「……?」





その言葉は

まだ子供の俺にはよく分からなかった–––















******************************















いくつかの季節が過ぎ

俺は時折フェリペ様に付いて出掛けるようになった



久々に外に出て気が付いたことがある

いや、思い出したと言うべきか





自分が他の人間とは違うということを–––







”この街の人々は良くしてくれるが……”



ひとたび外交の場に出れば、上から下まで舐めるように見られる

軽蔑の眼差しだけで済んでいるのは、ただ一重にファルツ家の威光だろう



”俺は…邪魔になってはいないだろうか……”



こんな自分が側にいることで、フェリペ様の評判を下げているのではないか


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