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果てのない海に呑まれて
第45章 全てお前の為
船で旅するレオンならまだしも、あの権力争いの中でどうしてこの純粋な眸を保っていられるのだろう
「人目があります。あまり男の手を引いて歩き回るのは……」
「今日一日は私の護衛。保護者なんだから当然でしょう」
フローラ様の我儘には困ったものだ
–––今に始まったことじゃあないが。
「あなたが前に戻ってきてからまた色々変わったのよ」
大学の休みに帰る度にこれだ
この前はレオンに連れ出されてクリストフとかいう変人に引き合わせられるし、俺は一体誰の何なんだか。
“…それに……”
「確かに、だいぶ変わりましたね」
見るたび違うのは貴女の方だ
まだまだ子供。
だが
その煌きはどんな化粧より彼女を輝かせる
俺もいくらか遊んでからは彼女に対するこの気持ちがどういうものが分かるようになった
だがこの頃は、普段男ばかりのところにいるせいもあっただろう、この小さな少女に対する気持ちを恋慕だと勘違いしていた