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果てのない海に呑まれて
第46章 得れば失う、失えば得る
‘お前は私の何だ?’
お前の為にレオンは心を取り戻し
‘お前は私の何なんだ’
俺はまた自由なあいつに憧れて
‘俺は……お前の側付きであり、護衛だ’
‘なら私を護るのがお前の仕事だな’
精一杯護ってやるのが俺の役目だとまた思い知らされた
「……」
見たことのないような穏やかな視線を送られて、リリアは困ったように目を泳がせる
「リリア」
「……?」
「お前はあいつの心を守れ。俺はあいつの身を護るから」
“…お前も護ると言ったなら……”
レオンに殺されるだろうな
「目が覚めた時、お前がフローラ様に見えた。
迎えが来たかと思ったぞ」
案外捕われているものだな
そう笑うミゲルに、リリアは最後にもう一度だけ伝えておこうと口を開いた
「貴方が死んだら同じように全てを無意味にされてしまう人がいること、忘れないで」