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果てのない海に呑まれて
第46章 得れば失う、失えば得る



もう誰にも止められない–––



「止めに行くわけではない。ただ少し後処理をしたいだけだ」

「敵の巣に乗り込むようなものです!」

「……」



ルチアーノはため息を吐き、懇願の目を避けた



「……ミゲルはどうするおつもりですか」

「置いて行く。あの女が気付くとすれば明日の朝か……今夜中に行って戻ってこよう」

「あいつが納得するわけがないでしょう」

「なら今から説得すれば良い。

どうせ弱っているんだ、造作もない」



大した気力もない今なら–––

と、高を括って扉を開けたのが間違いだった















「もう、ミゲルったら! 笑い過ぎよ!」

「クッ……お前がリーと取っ組みあったなんて聞いて笑わないわけがないだろう……ッハハ‼︎」

「あの時は私の方が背が高かったのよ!……負けたけど」



ボソリと呟くリリアにミゲルはますます笑いを大きくする

額を押さえ頭を枕に沈めるほどウケていた


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