この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第46章 得れば失う、失えば得る
もう誰にも止められない–––
「止めに行くわけではない。ただ少し後処理をしたいだけだ」
「敵の巣に乗り込むようなものです!」
「……」
ルチアーノはため息を吐き、懇願の目を避けた
「……ミゲルはどうするおつもりですか」
「置いて行く。あの女が気付くとすれば明日の朝か……今夜中に行って戻ってこよう」
「あいつが納得するわけがないでしょう」
「なら今から説得すれば良い。
どうせ弱っているんだ、造作もない」
大した気力もない今なら–––
と、高を括って扉を開けたのが間違いだった
「もう、ミゲルったら! 笑い過ぎよ!」
「クッ……お前がリーと取っ組みあったなんて聞いて笑わないわけがないだろう……ッハハ‼︎」
「あの時は私の方が背が高かったのよ!……負けたけど」
ボソリと呟くリリアにミゲルはますます笑いを大きくする
額を押さえ頭を枕に沈めるほどウケていた