この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第48章 果てのない海に呑まれて
「追手だ!」
「距離は」
「今すぐ走らせれば間に合う。こちらの方が人数が少ないからな」
ミゲルが馬を引いてくる間に、レオンはリリアを起こして服を整えた
「どっちなの……?」
「それは分からない。
だが心配するな。私がついている」
一度リリアを強く抱きしめその唇に口付けると、馬に乗せ自分も続く
「飛ばすぞ」
「ああ。
リリア、しっかり掴まっていろ。……絶対に離すなよ」
リリアが頷くと同時、レオンが馬の腹に強く蹴りを入れ三人は夜の闇へと姿を眩ませた
******************************
人の噂というのは、何故かその当人よりも早くやって来る
“……ミゲル、レオン…”
昨日は出発を祝う酒盛りもそこそこに、初の大航海に向け夜中から準備を始めている
クリストフはその手を一旦止めると、少し体を伸ばしながら彼らのことを思い出していた