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果てのない海に呑まれて
第48章 果てのない海に呑まれて
「レオン! ミゲル!」
クリストフは全てを忘れて叫び、駆け寄っていた
「クリス! 会えて良かった!」
「リリアも一緒か! 何があった?」
「喜んでる場合じゃないぞ。クリス頼む、何も聞かずに俺たちを船に乗せてくれ」
「……」
もう何年も前に見失ったミゲルの真っ直ぐな眸に、クリストフは黙り込んだ
「だからなんなんだよオメェらはよぉ! この船はコーテーヘイカの命令で出航するんだ! 得体のしれねぇやつ乗せられるか!」
「だから俺たちは……っ」
再び喚き立てる見張りに苛立ったミゲルをレオンが制する
「頼む」
静かなその一言だけで、周りは逆らえなかった
「で、でも……船長…」
「噂は本当だったってことだな」
独り言のように呟くと、クリスは大きくため息を吐く
「仕方ねぇな」
そう言いつつそこには深い安堵も含まれていた