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果てのない海に呑まれて
第48章 果てのない海に呑まれて
おそるおそる顔を上げれば、クリスの厳しい目に見つめ返される
「ああ」
次の瞬間、彼の丸々とした顔がニッと笑った
「あいつが絶対ここに戻ってくるためのな」
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「乗組員が全員行ったら、次はお前だ」
リリアを託した後、すぐにレオンはそう言った
「は……?」
ミゲルは何を言い出すのかと、一瞬敵から視線を外し主人を見る
「……それはおかしいだろう」
「何もおかしくはない。お前が死んだらリリアが哀しむ」
「それはお前の方が……!」
「私は死なない。リリアの為に」
レオンはいよいよ剣を抜き、それに誓うようにはっきりと告げた
「だがお前は死ぬだろう。私の為に」
「……!」
「だから……行けっ!」
ボートが港に戻るのとほぼ同時に、馬から降りた敵が斬り掛かってくる