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果てのない海に呑まれて
第49章 番外編 光と影



とはいえその浅黒い肌もまた、このシエラでは珍しくもなかったが。



「どうせ誰でもいいんだろ」



しばらく答えを返さないミゲルに畳み掛ける



「……生憎と、お前は年増すぎる」

「誰がトシマだって!」



近くにいた生意気な新入りがクスクス笑うのが聞こえた

だがこんなことで本気で逆上するほど不慣れなわけではない



「こう見えてもまだ二十一だよ」

「……」



無反応なのは、自分より五つほども年上ならやはり年増だと思ったのだろうか



「俺は胸が小さい方が好みなんだ」

「……へぇ。珍しいねぇ」



本当かどうかは知らないが、何かしら理由を付けて女を抱く気のなさそうな男にヘレーネは大きな胸を揺らしてため息をついた

客になる気がないなら話し掛ける意味はない–––



「おい、折角来たんだ。お前も楽しめ」



いつのまにかこちらを見ていたレオンが、ミゲルにそう言った


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