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果てのない海に呑まれて
第49章 番外編 光と影
「特にこの女の舞は一級品だそ。朝まで離れられなくなる」
「ハァ……レオン様は本当に、女をノせるのがお上手でいらっしゃる」
「……」
「ここは私の馴染みの店だ」
その一言で、ミゲルはため息を吐きようやくヘレーネと共に部屋に入った
「……ご主人が心配かい?」
「別に、従者としての当然の務めだ」
「そう。あたしはてっきり女を抱けないタチかと思ったよ」
釦を外し、上着をベッドに放ったミゲルは馬鹿にするなというような目でこちらを睨む
「……それで?」
そのままそこに腰掛けると、促すように顎をしゃくった
「舞が得意らしいな」
「そうだよ。あたしは産まれながらの踊り子さ」
ヘレーネは隅に置かれたタンバリンを手に取り、部屋の中央に座った
蝋燭だけの薄暗い灯りが彼女の姿を妖艶に写し出す
シャラララ…
タンバリンの音が響き出し、女の身体がゆっくりと上がって行く