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果てのない海に呑まれて
第2章 追い討ち



よくよく目を凝らせば、遠くの方で煙が上がっているのが見える

だがそれも意識しなければ周りの霧と同化してしまう程度のものだった



「レ、レオン様!」



突然下の方から焦ったような声が聞こえて二人は顔を見合せる



「お前はここにいろ」



その命令にミゲルは頷き、レオンは声のした部屋へと急いだ

そこにはこれから自分たちの港へと持ち帰る荷が多く積まれ、その奥で船員たちがたむろしている



「どうした」



背後に現れた長に男たちは何も言わずに後ろへ下がった

彼らの真ん中にあった物−−−いや、いた者にレオンは目を見開く



「この女が入り込んでいて……」



寝巻姿で怯えた目を向けてくる女

いや、女というよりはまだ少女だった



「お前、何者だ」



急に威圧感のある声を出され、彼女はますます体を小さくする



「わ、私…人に追われていて……ここに隠れてたの……」

「……」



レオンは女を上から下までじっと見回した

ふと、彼の目が少女の耳飾りで止まる



何も言わない男に彼女は一層おろおろし出した



「な、名前は……リリア・デ・……」

「いい。黙れ」



レオンはリリアと名乗った少女を冷たく遮ると、その手を取って無理やり立たせる


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