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果てのない海に呑まれて
第2章 追い討ち
「いたっ……」
少女が小さく悲鳴を上げて体を硬くする
「……足を怪我しているのか」
レオンはひょいと彼女を持ち上げると甲板への階段を上りだした
「あの…レオン様……?」
「他に問題がなければ予定通り準備を進めろ」
あっけに取られる船員たちを置いてレオンは外に出ていった
「おい、何だその女は」
一人で降りて行った奴が二人で出てきたのを見てミゲルは怪訝そうな顔をする
「私の相手だ。これで三日間我慢する必要がなくなったな」
レオンは笑ってそう言うと船尾にある自分の部屋へとさっさと入っていってしまった
「きゃっ……」
固いベッドに投げ飛ばされ、リリアは驚いた顔を向ける
「何だその顔は。そんな格好で忍び込んでおいて、ただで済むと思っていたのか?」
「忍び込むだなんて……私この船がギスタール家のものだと思って……」
ごめんなさい、とリリアは素直に頭を下げる
「ギスタール…か……」
二人目の重みを受け、ギシッとベッドが軋んだ
レオンはリリアの耳に手を伸ばす
「あっ……」
「こんなものは外せ。殺されるぞ」