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果てのない海に呑まれて
第8章 還らない者
「そういえば妹と自分を重ねるなと言っていたが、もしや私の妹に嫉妬していたのか?」
「なっ…それは本当に違っ……ンッ」
否定しようとしたリリアの唇が塞がれる
「ン…む」
目覚めには激しすぎるほど激しいキス
解放される頃には、儘ならない呼吸とレオンの責めによって頭が少しぼうっとしていた
「お前の本心は私をどう思っているんだ?」
リリアのとろんとした目を覗き込みながらわざと首を傾げてみせる
「わ、たしは……」
リリアが答える前に、部屋の扉がノックされた
「失礼致します。お召し物を……っ!?」
中に入った使用人は驚きのあまり服を取り落としそうになる
「も、申し訳ありません! 失礼しました!」
まさか男が、しかもレオンがいるとは思わなかったのだろう、かなり焦った様子だ
「ああ、良い。待て」
急いで部屋を出ようとした彼女をレオンが呼び止める
「私が出るからそのまま準備をしてくれ。終わったらミゲルの所に連れて行って朝食を共にさせろ」
「は、はい」
「リリア」
リリアは恥ずかしさのあまり布団を被って身を隠すようにしていた
それをひっぺがして顔を自分の方へ向かせる
「食事はちゃんと取れ。スープだけでは生きていけんぞ」
それだけ言うと彼女らを置いて部屋を出ていった