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わたしはショートケーキが嫌い
第4章 トレンド
ボソっと呟いた俺の言葉に恭平は首を傾げた。
俺は首を振って『何でもない』と言った。
右腕にしているリストバンドの下がチクチク痛む。
もう傷口は塞がってるのにチクチク痛む。
「なぁ慶太」
「なに?」
「‥‥‥なんでもねぇ」
何かを俺に言いたかったように俺を呼んだけど、結局恭平は何も言わなかった。
俺も恭平を詮索はしなかった。
『生きていればきっといいことがある。だから私は死のうとは思わない。何で自分が死ななきゃいけないの?って思うしね。だから辛い時は辛い時のことを書き換えればいい。そうするだけで気持ちは違うよ‥‥瀬戸君』
君は幸せを求めてた。
幸せがあるって信じてた。
だから君はーーー。
猟奇的殺人犯はダークヒーロー。
長谷部 美咲のダークヒーロー。
なら俺は、そのダークヒーローに協力しよう。
小さな協力だけど。
君の辛さを知ってるから、俺は協力しよう。
長谷部 美咲の為に。
『一緒だね、慶太くん』
君の為だけに。