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わたしはショートケーキが嫌い
第12章 肉 冷凍



洗濯機の中でゆるりゆるりと回る洗濯物を眺めながら、恭平の泣き顔を思い出していた。
あんな顔をして泣く恭平を見たのは初めてだった。

まるで親に見捨てられる子供みたいな顔だった。

あの後恭平とは一切言葉を交わさなかった。
帰りの電車の中でも無言で、顔を合わせることもしなかった。

恭平、警察に言うかな。

水分を含んで重くなった洗濯物が洗濯機の中でバシャバシャ音をたてる。

言うかな、言うかな。
既に電話してたりして。

そしたら今夜中には来るだろうなぁ。
肉、食い終わってないのに。




「腹減ってきたなぁ」


つい2時間前にビッグマックを食べたばかりなのに、俺の腹は食べ物を欲していた。
お腹をさすりながらキッチンに向かい、さっき冷凍庫から取り出した肉を電子レンジの中に入れた。

こんだけカチカチに凍ってるから5分くらい温めるか。

タイマーを5分にセットし、スタートボタンを押す。
ピロロンと変な音を立てながら電子レンジの中はオレンジ色に光り、カチカチに凍った肉がゆっくりと回り始めた。

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