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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)
ブワッと、頭の中に返り血を浴びた慶太の姿が映し出され、その右手には持ち手が黄色い血塗れのハサミを握りしめていた。
もし、本当に慶太が殺っちまったんなら‥‥。
そんな嫌な想像に頭が犯された。
「では今から全校集会があるから廊下に列べ」
担任の指示に従い、教室から廊下に出て行く生徒達。
俺は慶太に、
「全校集会も騒がしくなりそうだな」
と言った。
慶太は相槌を打つと、
「‥‥ああ」
と答えてボーっとし始めた。
慶太の黒くて澄んだ目が段々と光をなくしたブラックホールのようになっていく。
そして乾燥してカサついた唇をパクパクと数回開いて何かを言った。
「か ればいい‥‥か」
あまりにも小声で聞き取れなかった。
俺は『え?』と首を傾げて慶太を見た。