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わたしはショートケーキが嫌い
第12章 肉 冷凍



どうやら俺は父親にそっくりらしい。
母さんがよく言っていた。

あんたはパパの生き写しだと。

だからだろう。
母さんが俺に欲情したのは。
だからだろう。
母さんが俺を犯したのは。


母さんは俺に父さんを重ねていた。
頭がおかしくなっていた。

全て父さんのせいだ。









帰宅した俺は冷凍庫からカチカチに凍った肉を取り出した。
ジップロックに入れて保存している肉の塊はあといくつ残っているだろう。

食べても食べてもなくならない。

ブーンブーンと蝿がうるさい。
手で払いながら舌打ちをした。

最近忙しくて家の掃除を怠っていたせいで、下着や服が床に散乱している。

母さんは父さんがいなくなって以来家事をしなくなった。
だから俺がこの十数年間家事をこなしている。

散乱した衣類を拾い上げながら寝室に向かって話しかける。

「ただいま母さん」

「‥‥‥」

寝室から返事はなかった。
いつもの事だ。


俺は両手に抱えた衣類を洗濯機の中に放り込み、柔軟剤と洗剤を入れてスイッチを押した。


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