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【寵姫】籠の中の牝獣たち
第1章 序章 【蠢く悪意】
急にもたれかかってきた女体を、東藤はゆっくりと持ち上げた。粘膜同士が擦れる音と供に小淫唇から男根が引き抜かれたが、その硬さは失われていなかった。

「こらえの効かないやつめ」

無感情に呟いた東藤は、弛緩している彼女をソファへ放り出して立ち上がった。背後から智恵子がタオルを手渡す。

「夫の処へ送り返してやれ、さっきの映像を持たせてな」

それと負債は私が請け負う、と付け加えた。そうすることで、妻を返された夫は何を思うだろうか。それを考えた僅かな間だけ、東藤は満足感に浸った。

「智恵子、寵姫については抜かりなく」

「かしこまりました、東藤様にお披露目できるときを心待にしております」

「鏡花……フフ、期待している」

そう言って、僅かに機嫌が良さそうな主が部屋から出ていくまで、智恵子は頭を垂れて見送った。
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