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横浜発 7:54
第4章 岸
矢野さんが片手で吊革の上の金属のパイプを持って態勢を整えて
もう片方の手で私の腰を抱き込む。
「大丈夫?」

朝なのに、ぴったりとくっついたその身体にドキドキした。
すり寄って、ギュッとくっついた時、耳元で
「さくら、もう少し離れて」
「あ。ごめ」
「そんなにくっついたら勃っちゃう」
耳元で笑いながら言われたその言葉に
え?っと軽く飛びのいて、心持ち身体を離す。

「矢野さんっ」

軽く睨めば、まだ笑ってて。

「ほんとだって」
そう言って耳たぶに触れるか触れないかのキスをする。

それでも、腰に当てた手に力を入れて
私を引き寄せる。

「やっと研修が終わるから、今日の夜は飲みに行こう」
「ん」
「俺のいつも行く居酒屋でいい?研修の打ち上げでちょっと顔出さなきゃいけないんだ」
「うん」
「時間はメールする」

下車駅までの2分は短くて。
たったそれだけの会話で、駅に着いた。

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