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仕置きの館
第4章 願い、そして……
『ふう。
少しは反省したか?』
____佐久真は直ぐにいつもの抑揚のない淡々とした口調に戻った。
ブリーフと白装束を手早く身につける。
なつみは無言で痛む付け根を堪え、
ゆっくりと上体を起こした。
『…………すみませんでした』
『分かればよい。
新しい作業着と下着を取ってくる。
ここで待つように!』
扉が開いて、
ピシッと伸びた背筋は遠ざかる。
なつみはその背中を睨んだ。
無精子症だから妊娠の心配はない。
力で抑えつけて言いなりにするなんて、
弱い人間のすることじゃないの?
〔女のくせに〕
〔腐った女が〕
佐久真の怒声は、
なつみに向けてというよりは女性全般への蔑みに聞こえる。
ムカムカする。
(ユウくんは……………誰もあんなふうに小馬鹿にしないし、
「女のくせに」なんて言ったこともない)
____今頃どうしてるんだろ?
出張から戻って、奥さんが逮捕されてて………………
ちゃんと、訳を聞いてくれてるはず。
悠大はそういう人だ。
頭ごなしに怒るんじゃなく、
誰に対しても先ず相手の話に耳を傾ける。
それから自分の考えを話す。
なつみは旦那さまに想いを馳せた。
が、
もう、遠い幻のようにしか浮かばなかった。
少しは反省したか?』
____佐久真は直ぐにいつもの抑揚のない淡々とした口調に戻った。
ブリーフと白装束を手早く身につける。
なつみは無言で痛む付け根を堪え、
ゆっくりと上体を起こした。
『…………すみませんでした』
『分かればよい。
新しい作業着と下着を取ってくる。
ここで待つように!』
扉が開いて、
ピシッと伸びた背筋は遠ざかる。
なつみはその背中を睨んだ。
無精子症だから妊娠の心配はない。
力で抑えつけて言いなりにするなんて、
弱い人間のすることじゃないの?
〔女のくせに〕
〔腐った女が〕
佐久真の怒声は、
なつみに向けてというよりは女性全般への蔑みに聞こえる。
ムカムカする。
(ユウくんは……………誰もあんなふうに小馬鹿にしないし、
「女のくせに」なんて言ったこともない)
____今頃どうしてるんだろ?
出張から戻って、奥さんが逮捕されてて………………
ちゃんと、訳を聞いてくれてるはず。
悠大はそういう人だ。
頭ごなしに怒るんじゃなく、
誰に対しても先ず相手の話に耳を傾ける。
それから自分の考えを話す。
なつみは旦那さまに想いを馳せた。
が、
もう、遠い幻のようにしか浮かばなかった。