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仕置きの館
第4章 願い、そして……
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寒い。


初夏なのに、
寒い。


脚が冷える。


トイレに行きたい。






『…………………______はっ?』
なつみは、
目を開いた。






ええと…………………
佐久真にころされて。


ボウタイで首を絞められた。



『え、い、生きてる!!』


体を起こした。
息ができる!




『_____図太い女だ』
声がした。

佐久真だ……………………




なつみはあの小花柄のベッドに倒れていた。


プリーツスカートはくしゃくしゃだが履いたままだ。




気を失っただけらしい。



『…………げほっ!かはっ…………、
おえっ』
今頃噎せ返る。






『飲みなさい』

素っ裸の佐久真が、
白い箱からペットボトルを取り出し投げた。


小花柄のシーツにぽふんと転がる。

横にボウタイがあって、
なつみは息を呑んだ。


『____お前は何故死なない?』

ふと佐久真が話す。




なつみは無言で、
佐久真を警戒しながらペットボトルのキャップを開き飲んだ。


水が喉を滑り落ちてゆく。

『がほっ!!げほっ、かはっ…………』
一度塞がれた喉に引っかかり、噎せてしまった。



佐久真はベッドから離れて、
ハンガーラックの前に仁王立ちだ。

『何故死なないのだ?
いつもなら、あの位で容易く死ぬのに。
お前は田中優のように発狂もしない。
仁保咲子のように疲弊しきっても、
どこか違う。
若いからかと思ったが…………20歳で収監される女もたまにいる』




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