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仕置きの館
第5章 一縷の望み
『そうか?
俺はラッキーとしか思えないね。

殺人・暴力したい放題で家族に豊かな生活を与えてやれて、感謝されるんだ。巷では俺たちは弁護士・裁判官より上だぜ。
しかも罪人の女なんざストレス解消剤以外の何者でもない。

〔国〕ってのは使い様によっちゃこんな楽な立ち位置に居させてくれるんだから』

柳瀬の声が弾む。

『自分が種無しだったことは憎むより有難いね、俺は』
クックックッと卑しげな笑い声。




『____まあな。
〔家庭怠慢罪〕の決定から施行に3年もかかったけどな。
頓挫するかとヒヤヒヤしたぞ。
まぁ今となれば杞憂だが………
さ、戻るか。
罪人が起きてくるかもしれない』


一人が言うと、
『ああ。
佐久真教官の長き療養を願って(笑)』

誰かが嘲笑いながらそう溢し、
微かな足音とともに再びシーンと静まり返る。




_____なつみは唖然とし、
その場に蹲ったまま動けない。




_____酷い仕打ちだと思っていたけど。



妹夫婦にマンション?
祖父母に介護人付き高級マンション?
これからもっと金が入る…………………………?






わたしたちは、
家族と切り離されて拷問を受けているのに……………??



殺人・暴力したい放題ですって?






(_____異常だわ。
おかしいと思ってたけど…………!
自分たちはのうのうと豊かな生活に身を置いてるってわけ?

わたしは_____………………
咲子さんもあゆみさんも…………)



他の女性たちも、
理不尽な法律からこんな目に遭ってるのに!




___ワナワナと手が震える。



今の会話は、
完全に〔普通の男子の口調〕だ。


内容は悪魔のようだけれど。




看守だから、普段はわざとああやってわたしたちを虐めてるんだ………………………



なつみは尿意を我慢して、
布団に戻った。


今トイレを使うとバレちゃう。






布団に潜り、
涙が流れた。




悔しい_______!!!



こみ上げる激しい怒り。



(許さない……………………
絶対に、何としてでも脱出してやる!)














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