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仕置きの館
第5章 一縷の望み
_____鬼。
悪魔。
人でなし。
最低野郎。




柳瀬の後頭部を睨みながら、
思い付く限りの悪口を飛ばす。



もちろん内心で…………



すると、咲子が後ろ手でチョイチョイと指先を振った。



なつみは(え?何?)と思う。



言葉にしたいのに出せないもどかしさ。




咲子は、
右手で人差し指を伸ばし自分の背中を指さした。



人差し指で背中に『の』と書く咲子。





(…………あ!
背中に文字を書けってこと?
咲子さん、ナイスアイデア!!!)



なつみは咲子の作業着の背中に指を伸ばし、
『く』と書いた。



(伝わるかな…………?
ひらがなのが分かり易いよね…………?)


手を離すと、
咲子が右手でマルを作る。





(伝わった!!
……………えーと、間を開けた方が……多分分かるはず)


続いて『び』となぞる。

また、咲子がマルを作る。


なつみは息を潜めながら、
『の』『う』『し』『ろ』『に』『す』『ぃ』『っ』『ち』『が』『あ』『る』
と一つ一つ丁寧に書いた。


咲子は分からない時は右手をグーとパーで繰り返し、
なつみは戸惑いながらも「あ、伝わってないんだ」と気付く。



階段を上がりながら、
咲子の背中に書いてゆく。



『ひ』『ふ』『の』『い』『ろ』『が』『あ』『か』『い』
『し』『か』『く』『い』……………………




根気よく。
なるべく一発で伝わるように。

『お』『す』『と』『た』『お』『れ』『た』…………
『さ』『く』『ま』

そこまで書いた時。






『よし、今日の個人訓練はここだ。
以前似た部屋を使用しただろう?
中は2部屋に分かれている』

白い扉の前で柳瀬が歩を止め、
なつみはビクッ!!と右手を引っ込めた。




柳瀬は暗い表情になったなつみに気付かない。


(よ、よかった……………………)





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