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仕置きの館
第5章 一縷の望み
『いいい、1回だけ?
1回だ、だけね?』

目を瞑ったままアナウンスに問う。




「はい。従順なのは良い事だ。
旦那にも従うようになりますからね。
1回だけで良しとしよう」



なつみは額から脂汗が流れる。


瞑った目に汗が入り、
痛い。


『痛いっ………………』
痛みから目を薄く開けた。

『ひぃっ……………………!!!』
目の前に、
指先大ほどの蛇の顔がある。細い目に、
細長い口。



『いーーーーーっ………………』
叫び声すら出ず、
固まったなつみ。



しかし、
固まった拍子になつみの口が開いて蛇の舌とぶつかった。




ペタリ。
シールを貼り付けたような、
変な感覚が唇に響いた。



一瞬だけ、
蛇と唇が重なった。




『~~~~~~~~~っっっ!!!』

クラクラする頭。



すると……………

カチャンと音がした。

『はい、クリアしましたね』
柳瀬の生身の声が、
傍らで聞こえた。




『こんなものの何が怖いのやら………』

柳瀬は蛇を手に取ると、
ヒョイと自分の肩に乗せた。

蛇は柳瀬の肩の上でとぐろを巻き、
舌先をチロチロ揺らめかせている。





『……………ひ…………いや~~~~~っ、
あっち行って!!お願い、もう無理!!!』なつみは背を丸める。
頭を抱えた。




気持ち悪い!

ガタガタ震える体を屈めて拒絶する。




柳瀬は『仕方ないなぁ。
少しほぐしますかね………』と呟くと、
丸まったなつみにのしかかる。







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