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仕置きの館
第6章 逆襲・そして………
犬は正常じゃないことが一目瞭然だった。


取り押さえようとした看守たちに噛みつき、
指や手を喰いちぎる。

『ぐわっ!』

『うぎゃあああっ……………』



まるでホラー映画のようだ。


黒い塊が、次々と看守の肉体の一部を噛み千切ってゆく。




女性たちは固まり、
か細い悲鳴を上げ身を寄せ合う。
「何なの?」「ひぃぃ、怖い」




他の看守たちも取り押さえようと犬に立ち向かう。


が、
すばしっこい動きで犬は噛み千切るとペッと吐き、
避けながら看守を足蹴りにする。




『落ち着くのだ!!
相手は単なる獣だ!!』
そう怒鳴ると、東条は拳銃を胸元から抜いた。




パンッ



乾いた音が飛ぶ。


犬の後ろ足を掠める弾丸。

『キャヒンッ………』
犬がよろけた。




看守たちも拳銃を抜き、
犬を撃つ。





_____なつみは立ち上がった。
頭で考えるより先に、
動いた。



入り口が、開きっ放しだったのだ。




『みんな!!
逃げよう!!』チカラいっぱいに叫ぶ。



すると、
固まっていた女性たちが一気に「そ、そうよ!」
「今だわっ」と立ち上がって走り出す。





東条が顔を真っ赤にした。


『何をしている!!
貴様ら、犬に気を取られいる場合かっ!!
罪人が逃げているぞーーー』大声で怒鳴る。





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