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仕置きの館
第2章 刑罰開始
水、飲まなきゃ……………………


隔離されたこの空間で、
ミネラルウォーターのラベルにある山のイラストだけが現実味を帯びていた。



なつみは手錠をかけられた手でボトルを持ち、
佐久真が開けたキャップから溢れる水を口に含む。




『痛っ……………』
下唇に沁みる。痛い………!


それでも喉に落ちていく水は気持ちよく、
なつみは必死に飲み干した。




『…………ぷはあっ』
500mlの水を飲み切るとなつみは大きく息をした。


____思ったより渇いていたらしい。


はぁはぁと息を吐(つ)いた。


佐久真は冷ややかな眼差しでなつみを見た。

ベッドに座るなつみに対面し、
全裸で背筋を伸ばし起立している。

『___ボトルを貸せ』
ロボットのようにゆっくりとなつみの手から空のペットボトルを奪う。
そして白い箱に戻した。


なつみは虚ろに佐久真の肉体と行動を見た。



引き締まった筋肉。
二の腕は格闘家のように太い。割れた腹。
角張った尻。
___下半身の真ん中にある、
太く長い根。




とてもじゃないけれど、チカラで勝てないのは一目瞭然だった。



なら………わたしは、ここで訓練するしかないの?

なつみは朧気に、
逃げられないと悟る。





誰かが「ドッキリ成功!」と笑いながら登場してくれたらいいのに。


けれど、脚の付け根の痛みはホンモノだった。












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