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仕置きの館
第1章 嵌められた手錠
『な…………なんで?』
独房に作業着姿で投げ込まれてしまったなつみ。
ぼう然と鉄柵に掴まったままへたり込む。
『何なのよ…………!!?
訳分かんない!!
出せーっ!
ユウくーーーん!』
錯乱したなつみは、
鉄柵をガンガン蹴った。
意味が分からない!
誤認逮捕ってやつ??
とにかくなにごと?
『うるさいわね!
黙ってなよ、みんな同じよっ』
声がして振り向くと、
独房内には4人の女性が同じ青い作業着を着て蹲っていた。
そのなかの年長っぽい女性だ。
今怒鳴ったのは。
背中までの緩やかなウェーブヘア。
きちんとメイクをしてる。
35歳くらいに見えた。
『同じ……………って?』
とりあえず話せる相手がいて、
なつみは訊ねた。
『あなた…………もしかして知らないの?
若いよね?まだ』
ウェーブヘアの女性は眉間にシワを寄せなつみを見る。
『知らないって何を…………??
てゆうかなんでわたしこんなトコにいるの?
何もしてないのに!』
がなるなつみに、
ウェーブヘアの女性は気の毒そうな表情をした。
『知らないんだね…………
若い子ならニュース見ないものね。
3ヶ月まえに政府が少子化対策で新しい刑罰を作ったのよ。
セックスレスの夫婦のうち、
病気または障害でやむを得ない場合以外の嫁は〈夜の生活義務を怠った〉として懲役が課せられるの。
強制的にね』
『……………はあ?!!
えっ、何それ!
そんなの聞いてないよ!』
なつみは地べたを這い、
座り込んでいる4人に近寄った。