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第3章 共同訓練

『水面下で〔国〕は対策を練っていたのだ。
因みにこの施設だけで罪人の女は2000人いる』



『にっ！？2000？』


なつみは手錠をカシャンと鳴らし前のめりになる。

『…………それにしては、声もしないし姿も見ないわ』



『当たり前だ。
君は今日収監されたばかりなのだから。
〔西の1〕だと言ったろう？
君たちの就寝部屋に横並びに10部屋がある。
共同訓練や食事の時間になれば分かる。
20～40歳の子供のいないセックスレスの女ばかりが集まる』



なつみはごくりと唾を飲んだ。


『先ほど〔西の1〕に居た時には、
他の女たちは各自訓練を受けていたのだ。
20～40歳の理由は君でも理解できるだろう』




………………子供を産める年齢………………

または産み育てられる年齢……………？



『未成年は範疇にない。未成年には基本的に学業がある。
また、老いた女も意味がない。
婚姻しており健康体にも関わらず、
子を成さないのは無駄でしかない』


『…………っ！
わたしは、計画を立ててるの！
それに…………みんな、それぞれ悩みや事情があるんだよ…………わたしはまだ分からないけど、よく聞くもん……………
レスを改善したくても出来ない人だっているよ！』





『だから、以前は少数だったそういう悩みや事情を持つ夫婦が増えてきてしまったのだ。
個人に改善を任せていたら、
いつまで経っても埒が明かない。
その結果が現代の日本だ』


なつみは突然の現実的な話に目が廻りそうになる。