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仕置きの館
第4章 願い、そして……
____螺旋階段を下り、
広い食堂へ入る。
各自椅子に着席した。
昨日と違う位置だった。
なつみは(席は決まってないのね…………)と思う。
目の前にトレーが並べられた。
パン・スープ・サラダ・紙パック牛乳。
食事はまともだった。
カレー下剤のようなモノもあったが、
昨夜のシチューとピラフも至って普通の食事だ。
もっとも、
放心状態で味はしなかったけれど………
なつみはスープを啜りながら先ほどのショートヘアの女を思い出す。
意識しなくとも脳裏に浮かんだ。
クマが酷く、
げっそり痩せていた。
わたしに語りかけた…………よね?
(ニゲテ、シヌヨ……)
口は確かにそう動いていた。
逃げられるなら、
とっくに皆逃げてるのに。
(だけど、何でわたしに?)
なつみを凝視していた。
思い過ごしじゃなければ。
なつみもまた、
彼女を見つめてた。
年が近そうだったからだろうか?
(…………待って。
あの人も、既婚者でセックスレス………なんだよね)
自分のように真偽は定かじゃないかもしれないけど。
ここに居るのは皆、
子供がない既婚者の女性だ。
(同じ……………
旦那さんがいるんだ…………)
同じ就寝部屋の他の4人は、
なつみよりも年齢が上だ。
里中あゆみは近いようだけれど、
私語どころじゃないし、
皆居るだけで精一杯だ。
なつみは不思議な安堵感を感じた。
目が合って、
意志の疎通が出来た。
それは、
ここに来てまだ数日だというのに、
すっかり忘れていた感覚だった。
話すこと・同調すること…………
パンを齧りながら、
〔日常では当たり前〕だったそれらが無いことに気付いた。
広い食堂へ入る。
各自椅子に着席した。
昨日と違う位置だった。
なつみは(席は決まってないのね…………)と思う。
目の前にトレーが並べられた。
パン・スープ・サラダ・紙パック牛乳。
食事はまともだった。
カレー下剤のようなモノもあったが、
昨夜のシチューとピラフも至って普通の食事だ。
もっとも、
放心状態で味はしなかったけれど………
なつみはスープを啜りながら先ほどのショートヘアの女を思い出す。
意識しなくとも脳裏に浮かんだ。
クマが酷く、
げっそり痩せていた。
わたしに語りかけた…………よね?
(ニゲテ、シヌヨ……)
口は確かにそう動いていた。
逃げられるなら、
とっくに皆逃げてるのに。
(だけど、何でわたしに?)
なつみを凝視していた。
思い過ごしじゃなければ。
なつみもまた、
彼女を見つめてた。
年が近そうだったからだろうか?
(…………待って。
あの人も、既婚者でセックスレス………なんだよね)
自分のように真偽は定かじゃないかもしれないけど。
ここに居るのは皆、
子供がない既婚者の女性だ。
(同じ……………
旦那さんがいるんだ…………)
同じ就寝部屋の他の4人は、
なつみよりも年齢が上だ。
里中あゆみは近いようだけれど、
私語どころじゃないし、
皆居るだけで精一杯だ。
なつみは不思議な安堵感を感じた。
目が合って、
意志の疎通が出来た。
それは、
ここに来てまだ数日だというのに、
すっかり忘れていた感覚だった。
話すこと・同調すること…………
パンを齧りながら、
〔日常では当たり前〕だったそれらが無いことに気付いた。