この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
仕置きの館
第4章 願い、そして……
____螺旋階段を下り、
広い食堂へ入る。


各自椅子に着席した。


昨日と違う位置だった。

なつみは(席は決まってないのね…………)と思う。



目の前にトレーが並べられた。

パン・スープ・サラダ・紙パック牛乳。


食事はまともだった。

カレー下剤のようなモノもあったが、
昨夜のシチューとピラフも至って普通の食事だ。


もっとも、
放心状態で味はしなかったけれど………




なつみはスープを啜りながら先ほどのショートヘアの女を思い出す。
意識しなくとも脳裏に浮かんだ。

クマが酷く、
げっそり痩せていた。


わたしに語りかけた…………よね?




(ニゲテ、シヌヨ……)


口は確かにそう動いていた。


逃げられるなら、
とっくに皆逃げてるのに。



(だけど、何でわたしに?)



なつみを凝視していた。
思い過ごしじゃなければ。


なつみもまた、
彼女を見つめてた。



年が近そうだったからだろうか?

(…………待って。
あの人も、既婚者でセックスレス………なんだよね)
自分のように真偽は定かじゃないかもしれないけど。

ここに居るのは皆、
子供がない既婚者の女性だ。


(同じ……………
旦那さんがいるんだ…………)

同じ就寝部屋の他の4人は、
なつみよりも年齢が上だ。

里中あゆみは近いようだけれど、
私語どころじゃないし、
皆居るだけで精一杯だ。




なつみは不思議な安堵感を感じた。

目が合って、
意志の疎通が出来た。





それは、
ここに来てまだ数日だというのに、
すっかり忘れていた感覚だった。



話すこと・同調すること…………




パンを齧りながら、
〔日常では当たり前〕だったそれらが無いことに気付いた。






/217ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ