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第1章 嵌められた手錠

皆が見遣る。


黒髪ロングの女性は、
顔を真っ赤にして内股になっている。
作業着にシミが広がっていく。



皆、目を逸らせない。


『…………っ、ひっく…………』
黒髪ロングの女性は恥ずかしさから泣き出した。




男は冷めた目でシミを眺め、
『＿＿＿スッキリしただろう？
歩きなさい！』と怒鳴った。







なつみは、怒りが湧いてきた。



私はセックスレスじゃない。
しかもまだ新婚だ。


それに………………
みんな何か理由があってレスなはず。
子供が欲しくても出来ない人もいるのに。

そんなのその夫婦にしか分からないじゃない！


何なのあのオジサン、偉そうに！



なつみは、思いっきり男を睨む。

男はなつみの視線に気付き、
じっと眺めた。


対峙するような見つめ合い。




ふっと冷笑した男。
そして、
地面に向かってパン！と発砲した。




『ひっ！！！』
ウェーブヘアの女性がよろけた。

空気が凍てつく。





男は銃口から出る細い煙を見、
『歩け』と命令した…………………………………………