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仕置きの館
第4章 願い、そして……
すると、
看守の男たちが一様に〔指導〕を止めた。
足音もなく数人が春香に駆け寄り、
春香を担いで食堂を出て行ってしまった。




きゃんきゃん啼いていた周りの女たちも、
異様な光景に静まり返った。



佐久真は『脱落者、佐藤春香!!
死を選び更生を中断した罪人中の罪人だっ。
皆、ああならぬよう務めよ!』
と仁王立ちで怒鳴る。





シーーーン……………………



静まり返ったままの食堂。


入り口のドアが開き、
三井が戻ってきた。
先ほど春香を担いだ中に居たようだ。



敬礼し、
『佐久真教官!!
佐藤春香を〔処理〕致しましたっ!!』
とハキハキ言う。






しょ………………処理?




処理って………………………


なつみはボンヤリした頭で思う。


そして。




処理!??
死!?しんだの!!?



______徐々に何が起きたかが分かり、
すうっと体が冷えてゆく。





『しょ、しょしょしょ処理って………?』
咲子も吃り震えだした。





佐久真は三井に『ご苦労!』と敬礼し、
なつみを見据える。

『死骸は〔とこなをし〕専用の処理機で分解する。
骨も顆粒にする専用機だ。
なあに、罪人なのだ。
死は〔更生放棄〕の証として国が受理する』
いつものように淡々と事務的に話す佐久真__________






なつみは、
直ぐには理解出来なかった。

咲子がへなへなと腰を抜かしてへたり込む。


周りの女たちも、
「え………………………」
「う、うそ…………………」
とようやく事の重大さに気づきざわつく。



佐久真は至極当然という面持ちで、
『何を動揺しているのだ?
お前たちには罪を償い更生をするという唯一の目的がある。大病ならば最初から収監されんのだ。
____よって、死はもっとも重罪となる』
と腕を組んだ。








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