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砂の人形
第2章 パレードの夜
それは想像と……何度も思い描いた姿と違っていて、息をのむ。人付き合いがなかったせいか、年齢よりあどけなく思っていた姫様の体は、もう女性に変わり始めていた。その張りのある曲線をなぞると、姫様はしゃくりあげるような、高い声を漏らした。顔を覆っていた両手は、何か助けを探して敷布の上をさまよい、枕を握りしめて震えている。ようやく表情が見えた。固くこわばらせた口元。きつく閉じたまぶた。涙の轍をつけた頬に、熱い火照り。何度も何度も思い描いた、この人の堕ちていく表情。
触れる指に力がこもる。親指が、不意に硬い尖りを剃り上げた。姫様の体が枕の上で跳ねる。こんな短い愛撫で、素直に乳首を立ててしまっている。上気した肌を敷布にこすり付けて、どこにも逃がすことができない快楽にがんじがらめにされている。それを解いてあげたくて、僕はきつく心臓を握り締められたような心地になる。
「その気になったようですね」
「ですが、前門の使用は固く禁じられているのをお忘れなきよう」
「時間になるまで黙ってろ。余計なことを言うな」
「そうですか」
双子は、その言葉を最後に沈黙した。ねばつく視線だけが背中に残った。お前の卑怯なやり口を見ているとでも言いたげだ。そうだ、僕は最低だよ。大義名分を掲げて自分の欲求を満たそうとしながら、それがこの人のためだと言い訳している。
本当に姫様が求めていることはなにか、分かってるのに。
触れる指に力がこもる。親指が、不意に硬い尖りを剃り上げた。姫様の体が枕の上で跳ねる。こんな短い愛撫で、素直に乳首を立ててしまっている。上気した肌を敷布にこすり付けて、どこにも逃がすことができない快楽にがんじがらめにされている。それを解いてあげたくて、僕はきつく心臓を握り締められたような心地になる。
「その気になったようですね」
「ですが、前門の使用は固く禁じられているのをお忘れなきよう」
「時間になるまで黙ってろ。余計なことを言うな」
「そうですか」
双子は、その言葉を最後に沈黙した。ねばつく視線だけが背中に残った。お前の卑怯なやり口を見ているとでも言いたげだ。そうだ、僕は最低だよ。大義名分を掲げて自分の欲求を満たそうとしながら、それがこの人のためだと言い訳している。
本当に姫様が求めていることはなにか、分かってるのに。